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04-添寝、読み聞かせ

👤 Aggressive Measures 🎼 RJ090647 ⏱️ 22:38
🎵 13678 characters
⏱️ 22:38 duration
🆔 ID: 26769697

📜 Lyrics

# LRC generated by https://github.com/zh-plus/Open-Lyrics, lang=ja
まだ、眠くならないかな?

それじゃあ、君が眠たくなるまで、お話、読んであげよっか。

ふふっ、なんだか子供の頃を思い出しちゃうかな。

途中で眠くなったら、そのまま、寝ちゃってもいいからね。

それじゃあ目を閉じて えっと

じゃあ 今日は

これにしようか 谷市の出世

1 昔

あるところに 田をもって

畑をもって 屋敷をもって

蔵を持って、何ひとつ足りないというもののない大変お金持ちのお百姓がありました。

それで村一番の長者と呼ばれて、みんなから羨ましがられていました。

この長者と同じ村に、これはまた持っているものといっては、古いスキとクバと釜が一丁ずつあるばかりという、

大変貧乏なお百姓夫婦がありました。

長者の田を借りて、お米や冷えを作って、その日その日のかすかな暮らしを立てていました。

夫婦はだんだん年をとって、毎日働くのが苦しくなりました。

それでも自分たちの後をついで、代わりに働いてくれる子どもがないので、
相変わらず、夏も冬もなしに水田の中に浸かって、昼や午夜に喰われながら汗水垂らして働いて、

それでも暇があると水に縁がある神様だというので、水神様のおやしろに夫婦してお参りしては、

神様神様どうぞ子供を一人お授けくださいまし 子供
でさえあればカエルの子でもツブの子でもよろしうございます

と言って 一生懸命祈りました

するとある日急におかみさんは 体中がむずむずして

赤ちゃんが産みたくなりましたそらこそ水神様のご利益だぞ さあ早く紙棚におとう名をあげないか

こういって騒いでいるうちにおにゃーとも言わずに赤ちゃんが それこそころりと
往来先に丸い石ころが転げ出すようにして生まれました 全くの話

この子は石ころのように小さく丸っこいので

つぶ つぶと呼ばれている谷師の子であったのです

つぶの子でもと申し上げたら、本当に水神様が他西の子をくださった。

夫婦はこう言って、でも水神様の申し子だからというので、小さな他西の子をお椀に入れて、

水を入れて、その中で大事に育てました。

5年たっても10年たっても 粒の子はやはり粒の子で

いつまでも小さくコロコロしていて ずっとも大きくなりませんでした

毎日毎日 食べるだけ食べて
あとは一日寝て暮らして、ああとも、かあとも声一つ立てません。

お百姓のお父さんはやはりいつまでも貧乏で、相変わらず長者の田を耕して、

年中休みなしに稼いでいました。

やれやれ今日も腰が痛いぞとある日お父さんは背中を叩きながら
地主の長者屋敷へ収める小作米の俵をせっせと蔵につけていました

するうちふと頭の上でお父さんお父さん そのお米は私が持っていくよ

という声がしました不思議に思 ってお父さんが仰向いて見ると
乃木先の高い棚の上に乗せられて 谷主の子がひなたぼっこしていました

谷主の子が口を聞くはずがない 何かの空耳だろうと思って

構わず仕事をしていますと また耳の旗で

お父さんお父さん 綿絵が持って行くってば

と呼ぶ声がしました 口を聞いたのはやはりつぶの子
だったのです お父さん

綿いは小さいから馬をひいていく ことはできないけれど
米だわらの上に綿いをのせてくれ れば地主様のお屋敷まで馬をつれて
てきてあげるよ 谷氏の子が
ずんずんそう言って口を聞くと お父さんもお母さんも本当にびっくり
してしまいました

でもこの子は何しろ 水神様のお申し子だから

きっと変わったことができるのかもしれないと思って そう言われるままに谷氏の子を
三秒の米だわらと米だわらとの間にしっかり落ちないように乗せてやって

じゃあ行っておいでと言って馬のお尻を叩きました

お父さんお母さんでは行って参ります

タニシの子は、人間のことじっともちがわない言葉で、そうはっきり答えて、

「さあ、でかけよ。はい、シーシー。」と、じょうずに声をかけました。

馬はひひんといなないて、ぱっかぱっか歩きだしました。

でも心配なのでお父さんが後ろからそっとついて行きますと 谷
士の子は馬の上から馬肩のする通り掛け声一つで

器用に馬を進めて行きました 林の曲り角や狭い矢部の中にかかると

はいどはいど馬を止めてゆっくり歩かせます。

危ない橋の上でも飛ぶ川の淵でも、ほいほい言いながら無事に通り抜けました。

そうして広い田んぼ道に出ると、よくすんだ美しい声で孫歌を歌いだすので、馬も
気持ちよさそうにしゃんしゃん鈴を鳴らしながら元気よく駆け出して行きました。
田の中で草をとっていたお百姓たちは馬肩の影も見えないのにたわらをつ
けた馬だけがのこのこ畑道を歩いて行く後姿をみんな不思議そうに見送っていました。

二誰も人のついていない馬が一人 で歩いてきて小柵のお米を三秒
も運び込んできたというので長者 屋敷の人たちはびっくりしました

するとそれが実は一人でなく小さな 谷師が米だわらの間に挟まって
ついてきて 俵の中から人間のような声で

お米を持ってきたからおろしてください と

となっているのがわかると余計びっくりしてしまいました 旦那様

谷師が馬を引いてお米を持ってきました と

みんなが行って騒ぐので主人の長者 ものこのこ出て来ましたその間
に谷氏の子は一人で吐き吐き下 男たちに挫折をしてお米を馬から
おろして蔵に積み込ませました そうして進められるとずんずん
お屋敷の真ん中に通ってと言いたいところですが実
はころころ転がっていってごちそうのお膳の前に座りました

どうも今日はおもてなし ありがとうございます

こういって小さな谷氏が立派に ご挨拶の向上を述べたので長者
屋敷の人たちもほんとうにびっくり してしまいましたいくら水仁様
のお申し子でもこんな利口な口を 聞く谷氏はめずらしいこう思って

長者はこのたにしをいつまでもうちのたからものにしておきたくなりました

そこでたにしのごぎげんをとるつもりで たにしどのたにしどの
おまえさんをうちのむすめのむこにとりたいがどうだね

といいました すると
たにしはまじめな声で それはどうもありがとうございます

では家へ帰ってお父さんとお母さんに話してみましょう と言って

さもうれしそうに帰っていきました たにしは帰ると早速

両親の百姓夫婦にこの話をしました お百姓は驚いて

長者のところへ本当かどうか尋ね に行きました長者も今さらそれは
冗談だとも言えないのでああ本当 だともでは二人の娘を呼んでどちら
が息子さんのお嫁になるか聞いて みようと言ってまず姉の娘を呼び
出しました かわいい田西殿をお前は無垢に取りたいか

こういうと姉の娘は半分も聞かずに まあ
他の中の汚い虫っけらなんか と怒った声で言って

畳をけたてで出ていきました そこで今度は妹の娘を呼び出しました
かわいいたにしどのをおまえはむこにとりたいか こういうと妹の娘は

お父さんのお約束なさったことなら その通りにいたしましょう

と 素直に答えたので

とうとうたにしの子は長者の向になることになりました 3

長者の娘は、谷氏のおむこさんを大事にして、その上、

谷氏のお父さんやお母さんにも親切にしてやりました。

でもこのおむこさんはあまりにも小さいので一緒に里のお父さんお母さんの家へ行くときはお
嫁さんはおむこさんを自分の帯の間にチョコナッと挟んで仲良く話しながら行きました

でも往来の人には帯の上にお婿さんのいることがわからずお嫁さんがぶつぶ
つ独り言を言って歩いているように見えるのでみんな振り返って不思議そうな顔をしました

ある日お天気がいいのでいつものように帯の間におむこさん
を挟んでお嫁さんはお里の両親を訪ねに行きました

水神のおやしろの前まで来ると 谷氏のおむこさんは

どうも帯の間に乗せられてばっかりいるのも窮屈になった 少し降りて休んでいこう

と お嫁さんに言いました

ではこの上が綺麗で広くっていいでしょ とお嫁さんは言って

石の鳥居の上におむこさんを休ませました。

はあ、広い田んぼが見えて、青々した空が眺められて、久しぶりでいい心持ちだ。

私はここでしばらく日向ぼっこをしているから、その間にお前はおやしろへお参りしてくるといいよ。

それでは急いで行って参りますお嫁さんはそれから石段を登っておやしろにお祭銭を
あげて丁寧に神様にお辞儀をしてまた急いで石段を下りて帰って行きました

ところで、もとの石の鳥居のところまで来てみると、そこに
ちゃんと乗っていたはずの谷師のおむこさんの姿が見えません。

鳥居の大石から転げ落ちたのかと思って、そこらをきょろきょろ見まわしましたが、

それらしいものの影も形も見えません。

もしやカラスがついくちばしの先でつまんで持って行ったのではないかどうかしてそこ
らの田の中へでもころがって行ったのであればいいんだと思ってお嫁さんは田んぼの中に入ってみました

春先のことで田の中は水がじくじく湧き出していて、

田の草の中からスミレやレンゲの花が顔を出していました。

お嫁さんはよそいきのきれいな着物が泥で汚れるのも忘れて、水田の中へ入って行きました。

そうしてつぶつぶお里へ参らぬか つぶつぶ

むこどのどこへ行ったお日が参り に誘われて

カラスの口につつかれな犬の足に 踏まれるな

と云いながらたから絶えと探して 回りました

どこへ行っても谷師は数知れず うじゃうじゃ転がっていますが

それがあんまり多すぎてどれが おむごさんの谷師なのか
かいもくわけがわからなくなって しまいました

お嫁さんはそれでもあきらめきれない ので相変わらず

つぶつぶお里へ参らぬかつぶつぶ 向子殿どこへ行ったと云い探して
廻るうちに春の日はいつか暮れて もう田んぼの中はよく見えない
のにからだは泥まみれになって しまいましたすっかりくたびれて
がっかりしきって 泣き顔になって

お嫁さんは 深い深い泥田の中に
今にもずるずる引き込まれそうになったとき これこれこんなところでいつまでも何をしているのだね

と言いながら いつどこから現れたか

光るような美しい若者が、涙でかすんでいるお嫁さんの目の前に、にっこり笑って立っていました。

水神様の申し子でありながら、訳があって十年もの長い間、谷師の殻の中に封じ込まれていたのが、

今日、お嫁さんが水神様のおやしろに参見して、真心を込めてお祈りしてくれたおかげで、

風事が解けて、この通り立派な若者の姿に変わることができたのです。

あたりまえの人間どうしのおむこさんとおよめさんになった二人は、あらためて水神様のおやしろにお礼参りをして、

めでたく家へ帰りました。

こうして小さな谷氏から出世したお母さんは、谷氏の長女と呼ばれて、

優しいお嫁さんと一緒に末永く栄えましたとさ。

今日は、これでおしまい。

それじゃ、もう本当に、ねんねしようね。

疲れたら、またいつでもお姉ちゃんに会いに来ていいから。

その度にいっぱい甘やかしてあげるからね。

それじゃあ、お姉ちゃんの胸の中で幸せな夢を見てね。
おやすみ

⏱️ Synced Lyrics

# LRC generated by https://github.com/zh-plus/Open-Lyrics, lang=ja
[00:00.00] まだ、眠くならないかな?
[00:02.50]
[00:04.54] それじゃあ、君が眠たくなるまで、お話、読んであげよっか。
[00:13.36]
[00:14.90] ふふっ、なんだか子供の頃を思い出しちゃうかな。
[00:20.22]
[00:22.34] 途中で眠くなったら、そのまま、寝ちゃってもいいからね。
[00:29.06]
[00:30.76] それじゃあ目を閉じて えっと
[00:37.10]
[00:38.32] じゃあ 今日は
[00:40.72]
[00:41.64] これにしようか 谷市の出世
[00:47.61]
[00:49.80] 1 昔
[00:53.45]
[00:54.31] あるところに 田をもって
[00:57.99]
[00:58.71] 畑をもって 屋敷をもって
[01:02.91]
[01:03.73] 蔵を持って、何ひとつ足りないというもののない大変お金持ちのお百姓がありました。
[01:13.81]
[01:16.39] それで村一番の長者と呼ばれて、みんなから羨ましがられていました。
[01:24.33]
[01:26.34] この長者と同じ村に、これはまた持っているものといっては、古いスキとクバと釜が一丁ずつあるばかりという、
[01:42.58]
[01:43.46] 大変貧乏なお百姓夫婦がありました。
[01:47.72]
[01:49.94] 長者の田を借りて、お米や冷えを作って、その日その日のかすかな暮らしを立てていました。
[02:01.48]
[02:03.74] 夫婦はだんだん年をとって、毎日働くのが苦しくなりました。
[02:09.62]
[02:12.38] それでも自分たちの後をついで、代わりに働いてくれる子どもがないので、
[02:19.84] 相変わらず、夏も冬もなしに水田の中に浸かって、昼や午夜に喰われながら汗水垂らして働いて、
[02:33.96]
[02:35.34] それでも暇があると水に縁がある神様だというので、水神様のおやしろに夫婦してお参りしては、
[02:46.14]
[02:47.98] 神様神様どうぞ子供を一人お授けくださいまし 子供
[02:55.56] でさえあればカエルの子でもツブの子でもよろしうございます
[03:01.68]
[03:02.84] と言って 一生懸命祈りました
[03:07.02]
[03:10.00] するとある日急におかみさんは 体中がむずむずして
[03:16.22]
[03:17.12] 赤ちゃんが産みたくなりましたそらこそ水神様のご利益だぞ さあ早く紙棚におとう名をあげないか
[03:30.58]
[03:32.14] こういって騒いでいるうちにおにゃーとも言わずに赤ちゃんが それこそころりと
[03:41.34] 往来先に丸い石ころが転げ出すようにして生まれました 全くの話
[03:49.36]
[03:50.36] この子は石ころのように小さく丸っこいので
[03:55.72]
[03:56.86] つぶ つぶと呼ばれている谷師の子であったのです
[04:02.84]
[04:04.20] つぶの子でもと申し上げたら、本当に水神様が他西の子をくださった。
[04:11.36]
[04:13.90] 夫婦はこう言って、でも水神様の申し子だからというので、小さな他西の子をお椀に入れて、
[04:25.46]
[04:26.46] 水を入れて、その中で大事に育てました。
[04:31.16]
[04:32.66] 5年たっても10年たっても 粒の子はやはり粒の子で
[04:40.68]
[04:41.52] いつまでも小さくコロコロしていて ずっとも大きくなりませんでした
[04:49.30]
[04:51.68] 毎日毎日 食べるだけ食べて
[04:56.02] あとは一日寝て暮らして、ああとも、かあとも声一つ立てません。
[05:06.22]
[05:08.60] お百姓のお父さんはやはりいつまでも貧乏で、相変わらず長者の田を耕して、
[05:17.76]
[05:18.64] 年中休みなしに稼いでいました。
[05:21.86]
[05:24.03] やれやれ今日も腰が痛いぞとある日お父さんは背中を叩きながら
[05:35.55] 地主の長者屋敷へ収める小作米の俵をせっせと蔵につけていました
[05:43.03]
[05:45.54] するうちふと頭の上でお父さんお父さん そのお米は私が持っていくよ
[05:57.32]
[05:58.26] という声がしました不思議に思 ってお父さんが仰向いて見ると
[06:07.67] 乃木先の高い棚の上に乗せられて 谷主の子がひなたぼっこしていました
[06:15.45]
[06:17.74] 谷主の子が口を聞くはずがない 何かの空耳だろうと思って
[06:24.78]
[06:25.28] 構わず仕事をしていますと また耳の旗で
[06:30.96]
[06:31.60] お父さんお父さん 綿絵が持って行くってば
[06:36.96]
[06:38.68] と呼ぶ声がしました 口を聞いたのはやはりつぶの子
[06:46.04] だったのです お父さん
[06:50.66]
[06:51.32] 綿いは小さいから馬をひいていく ことはできないけれど
[06:57.16] 米だわらの上に綿いをのせてくれ れば地主様のお屋敷まで馬をつれて
[07:04.90] てきてあげるよ 谷氏の子が
[07:09.90] ずんずんそう言って口を聞くと お父さんもお母さんも本当にびっくり
[07:18.30] してしまいました
[07:19.38]
[07:21.94] でもこの子は何しろ 水神様のお申し子だから
[07:27.44]
[07:28.06] きっと変わったことができるのかもしれないと思って そう言われるままに谷氏の子を
[07:36.60] 三秒の米だわらと米だわらとの間にしっかり落ちないように乗せてやって
[07:44.92]
[07:46.02] じゃあ行っておいでと言って馬のお尻を叩きました
[07:51.90]
[07:53.98] お父さんお母さんでは行って参ります
[07:59.14]
[08:00.71] タニシの子は、人間のことじっともちがわない言葉で、そうはっきり答えて、
[08:09.21]
[08:11.33] 「さあ、でかけよ。はい、シーシー。」と、じょうずに声をかけました。
[08:20.49]
[08:21.99] 馬はひひんといなないて、ぱっかぱっか歩きだしました。
[08:29.67]
[08:32.48] でも心配なのでお父さんが後ろからそっとついて行きますと 谷
[08:39.38] 士の子は馬の上から馬肩のする通り掛け声一つで
[08:46.48]
[08:47.02] 器用に馬を進めて行きました 林の曲り角や狭い矢部の中にかかると
[08:57.44]
[08:58.14] はいどはいど馬を止めてゆっくり歩かせます。
[09:04.38]
[09:06.26] 危ない橋の上でも飛ぶ川の淵でも、ほいほい言いながら無事に通り抜けました。
[09:16.18]
[09:18.91] そうして広い田んぼ道に出ると、よくすんだ美しい声で孫歌を歌いだすので、馬も
[09:30.49] 気持ちよさそうにしゃんしゃん鈴を鳴らしながら元気よく駆け出して行きました。
[09:37.99] 田の中で草をとっていたお百姓たちは馬肩の影も見えないのにたわらをつ
[09:48.11] けた馬だけがのこのこ畑道を歩いて行く後姿をみんな不思議そうに見送っていました。
[09:57.73]
[10:00.90] 二誰も人のついていない馬が一人 で歩いてきて小柵のお米を三秒
[10:11.62] も運び込んできたというので長者 屋敷の人たちはびっくりしました
[10:18.38]
[10:20.60] するとそれが実は一人でなく小さな 谷師が米だわらの間に挟まって
[10:29.40] ついてきて 俵の中から人間のような声で
[10:35.12]
[10:35.96] お米を持ってきたからおろしてください と
[10:40.82]
[10:41.66] となっているのがわかると余計びっくりしてしまいました 旦那様
[10:49.82]
[10:50.50] 谷師が馬を引いてお米を持ってきました と
[10:55.78]
[10:56.30] みんなが行って騒ぐので主人の長者 ものこのこ出て来ましたその間
[11:05.70] に谷氏の子は一人で吐き吐き下 男たちに挫折をしてお米を馬から
[11:14.68] おろして蔵に積み込ませました そうして進められるとずんずん
[11:23.72] お屋敷の真ん中に通ってと言いたいところですが実
[11:30.48] はころころ転がっていってごちそうのお膳の前に座りました
[11:36.08]
[11:37.90] どうも今日はおもてなし ありがとうございます
[11:42.84]
[11:44.66] こういって小さな谷氏が立派に ご挨拶の向上を述べたので長者
[11:52.84] 屋敷の人たちもほんとうにびっくり してしまいましたいくら水仁様
[12:00.22] のお申し子でもこんな利口な口を 聞く谷氏はめずらしいこう思って
[12:08.14]
[12:08.70] 長者はこのたにしをいつまでもうちのたからものにしておきたくなりました
[12:14.62]
[12:16.12] そこでたにしのごぎげんをとるつもりで たにしどのたにしどの
[12:24.12] おまえさんをうちのむすめのむこにとりたいがどうだね
[12:29.92]
[12:31.32] といいました すると
[12:34.64] たにしはまじめな声で それはどうもありがとうございます
[12:40.66]
[12:42.12] では家へ帰ってお父さんとお母さんに話してみましょう と言って
[12:49.10]
[12:49.72] さもうれしそうに帰っていきました たにしは帰ると早速
[12:57.66]
[12:58.14] 両親の百姓夫婦にこの話をしました お百姓は驚いて
[13:06.43]
[13:07.05] 長者のところへ本当かどうか尋ね に行きました長者も今さらそれは
[13:15.95] 冗談だとも言えないのでああ本当 だともでは二人の娘を呼んでどちら
[13:26.87] が息子さんのお嫁になるか聞いて みようと言ってまず姉の娘を呼び
[13:34.61] 出しました かわいい田西殿をお前は無垢に取りたいか
[13:41.48]
[13:42.66] こういうと姉の娘は半分も聞かずに まあ
[13:48.94] 他の中の汚い虫っけらなんか と怒った声で言って
[13:54.98]
[13:55.66] 畳をけたてで出ていきました そこで今度は妹の娘を呼び出しました
[14:04.00] かわいいたにしどのをおまえはむこにとりたいか こういうと妹の娘は
[14:14.86]
[14:15.78] お父さんのお約束なさったことなら その通りにいたしましょう
[14:21.26]
[14:21.88] と 素直に答えたので
[14:24.76]
[14:25.56] とうとうたにしの子は長者の向になることになりました 3
[14:33.32]
[14:36.13] 長者の娘は、谷氏のおむこさんを大事にして、その上、
[14:42.63]
[14:43.45] 谷氏のお父さんやお母さんにも親切にしてやりました。
[14:48.29]
[14:50.31] でもこのおむこさんはあまりにも小さいので一緒に里のお父さんお母さんの家へ行くときはお
[15:00.25] 嫁さんはおむこさんを自分の帯の間にチョコナッと挟んで仲良く話しながら行きました
[15:10.05]
[15:12.22] でも往来の人には帯の上にお婿さんのいることがわからずお嫁さんがぶつぶ
[15:21.80] つ独り言を言って歩いているように見えるのでみんな振り返って不思議そうな顔をしました
[15:30.80]
[15:31.90] ある日お天気がいいのでいつものように帯の間におむこさん
[15:40.24] を挟んでお嫁さんはお里の両親を訪ねに行きました
[15:46.30]
[15:48.24] 水神のおやしろの前まで来ると 谷氏のおむこさんは
[15:53.60]
[15:54.74] どうも帯の間に乗せられてばっかりいるのも窮屈になった 少し降りて休んでいこう
[16:03.04]
[16:04.52] と お嫁さんに言いました
[16:06.82]
[16:09.60] ではこの上が綺麗で広くっていいでしょ とお嫁さんは言って
[16:17.48]
[16:18.12] 石の鳥居の上におむこさんを休ませました。
[16:22.30]
[16:24.14] はあ、広い田んぼが見えて、青々した空が眺められて、久しぶりでいい心持ちだ。
[16:33.94]
[16:35.42] 私はここでしばらく日向ぼっこをしているから、その間にお前はおやしろへお参りしてくるといいよ。
[16:44.12]
[16:46.52] それでは急いで行って参りますお嫁さんはそれから石段を登っておやしろにお祭銭を
[16:58.10] あげて丁寧に神様にお辞儀をしてまた急いで石段を下りて帰って行きました
[17:06.88]
[17:08.93] ところで、もとの石の鳥居のところまで来てみると、そこに
[17:14.97] ちゃんと乗っていたはずの谷師のおむこさんの姿が見えません。
[17:19.99]
[17:22.21] 鳥居の大石から転げ落ちたのかと思って、そこらをきょろきょろ見まわしましたが、
[17:29.79]
[17:30.81] それらしいものの影も形も見えません。
[17:33.61]
[17:36.42] もしやカラスがついくちばしの先でつまんで持って行ったのではないかどうかしてそこ
[17:45.82] らの田の中へでもころがって行ったのであればいいんだと思ってお嫁さんは田んぼの中に入ってみました
[17:54.46]
[17:57.25] 春先のことで田の中は水がじくじく湧き出していて、
[18:03.09]
[18:04.31] 田の草の中からスミレやレンゲの花が顔を出していました。
[18:09.21]
[18:11.55] お嫁さんはよそいきのきれいな着物が泥で汚れるのも忘れて、水田の中へ入って行きました。
[18:21.13]
[18:22.61] そうしてつぶつぶお里へ参らぬか つぶつぶ
[18:33.09]
[18:33.55] むこどのどこへ行ったお日が参り に誘われて
[18:39.53]
[18:40.19] カラスの口につつかれな犬の足に 踏まれるな
[18:44.93]
[18:46.45] と云いながらたから絶えと探して 回りました
[18:50.87]
[18:52.39] どこへ行っても谷師は数知れず うじゃうじゃ転がっていますが
[18:58.91]
[18:59.63] それがあんまり多すぎてどれが おむごさんの谷師なのか
[19:05.65] かいもくわけがわからなくなって しまいました
[19:09.69]
[19:11.25] お嫁さんはそれでもあきらめきれない ので相変わらず
[19:16.91]
[19:18.35] つぶつぶお里へ参らぬかつぶつぶ 向子殿どこへ行ったと云い探して
[19:34.08] 廻るうちに春の日はいつか暮れて もう田んぼの中はよく見えない
[19:41.54] のにからだは泥まみれになって しまいましたすっかりくたびれて
[19:49.48] がっかりしきって 泣き顔になって
[19:53.90]
[19:54.44] お嫁さんは 深い深い泥田の中に
[19:59.12] 今にもずるずる引き込まれそうになったとき これこれこんなところでいつまでも何をしているのだね
[20:10.90]
[20:12.28] と言いながら いつどこから現れたか
[20:16.50]
[20:17.22] 光るような美しい若者が、涙でかすんでいるお嫁さんの目の前に、にっこり笑って立っていました。
[20:26.66]
[20:29.82] 水神様の申し子でありながら、訳があって十年もの長い間、谷師の殻の中に封じ込まれていたのが、
[20:40.88]
[20:41.50] 今日、お嫁さんが水神様のおやしろに参見して、真心を込めてお祈りしてくれたおかげで、
[20:50.54]
[20:51.74] 風事が解けて、この通り立派な若者の姿に変わることができたのです。
[20:59.50]
[21:01.37] あたりまえの人間どうしのおむこさんとおよめさんになった二人は、あらためて水神様のおやしろにお礼参りをして、
[21:13.45]
[21:14.77] めでたく家へ帰りました。
[21:16.61]
[21:18.93] こうして小さな谷氏から出世したお母さんは、谷氏の長女と呼ばれて、
[21:26.59]
[21:28.03] 優しいお嫁さんと一緒に末永く栄えましたとさ。
[21:34.29]
[21:52.74] 今日は、これでおしまい。
[21:56.24]
[21:57.64] それじゃ、もう本当に、ねんねしようね。
[22:03.22]
[22:04.32] 疲れたら、またいつでもお姉ちゃんに会いに来ていいから。
[22:11.48]
[22:12.98] その度にいっぱい甘やかしてあげるからね。
[22:19.56]
[22:21.95] それじゃあ、お姉ちゃんの胸の中で幸せな夢を見てね。
[22:31.47] おやすみ
[22:36.49]

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